2013年11月15日金曜日

アサーション

秋を感じていたのもつい先日まで。
冷たい北風が、木の葉を力いっぱい揺らしています。
街を見渡すと、クリスマス仕様のお店が増えてきました。
あちこちで冬の準備が始まっていますね。

話は変わりますが、‘アサーション’という言葉があります。
これは、自分の言いたいことを相手に伝わるように、かつ相手の意見を尊重しながら表現するということです。
対人関係技術向上トレーニングとして、新入社員の教育場面で用いられることもあります。
今日は、この自己表現についてお話したいと思います。

突然ですが、あなたならこんな時、どうしますか?

授業中消しゴムを忘れて困っているあなたは、隣に座っている友だちの机の上に消しゴムが置かれてあるのを見つけました。友だちは一生懸命板書しているので、声をかけにくいですが、でもあなたもどうしても消しゴムが必要です。

自己表現には3つのタイプがあります。
ドラえもんの登場人物に例えてみると、わかりやすいようです。

攻撃的な自己表現(ジャイアン)…自分の意見ばかり主張して、相手のことは配慮しない
非主張的な自己表現(のび太)…相手の意見を優先させ、自分の意見は後回しにする
アサーティブな自己表現(しずかちゃん)…自分の意見を尊重するが、相手も配慮する

①ジャイアンだったら、「おい、お前。消しゴム貸せよ。いいだろ。言うこと聞かないとどうなるかわかってるんだろうな」と乱暴に言い放って、相手のことなんてお構いなく勝手に取り上げてしまいそうですね。

②のび太だったら、「あの…えーと…あの…け、け、消しゴムを…あの…その…」ともじもじと小さい声で話して、相手に言いたいことがきちんと伝わらないことでしょう。結局、消しゴムを借りることができずに授業の間中、困ることになりそうですね。

③しずかちゃんだったら、「~さん、私、消しゴムを忘れてしまって困っているの。使い終わったらすぐに返すので、貸してもらえないかしら」と、相手の目を見ながら、丁寧に、でもハキハキと話すのではないでしょうか。

言った方も言われた方も気持ち良くいられるのは、誰の言い方でしょう。
たいていの人はしずかちゃんの言い方、と答えるのではないでしょうか。

お願いする時、謝る時、頼みを断る時…など、どういう風に伝えようという場面に遭遇した時は、しずかちゃんだったらなんて言うかな?と、想像してみてください。

参考文献:
平木典子(2009)「改訂版アサーショントレーニング―さわやかな<自己表現>のために―」日本・精神技術研究所